シュルレアリスム実践メモ

学問としてシュルレアリスムを学ぶ管理人が(体を張って)シュルレアリスト・アート、ゲームを実行するブログです。シュルレアリスム初心者から専門的に学ぶ人まで楽しめるようにしたいとおもいます。

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Week 7 ロシア前衛芸術とダダ

速報:Dawn Ades教授のキュレートしたUndercover Surrealismカタログが


The prestigious Art Newspaper & AXA Art Exhibition Catalogue Award


を受賞しましてよ!早い話が 最高図録賞。


 


中身はバタイユのDictionary風になってるぜ。



 


Week 7 ロシア前衛芸術とダダ


 今回は ロシアン・アヴァンギャルド芸術に着目しつつ、ダダとのパラレルな関係をみていきます。特にロシア構成主義タトリンは、Week4で触れたとおりベルリン・ダダイストにとってまさしくアイコン的存在


一方マレーヴィチのはじめたシュプレマティスム=無対象の完全抽象画は、前回のチューリッヒ・ダダの共通するところが多くあります。


 そこら辺の共通点やら違いやらを、ざーっと考察してみます。1917年の革命に前後し、ロシアでは社会の変容とともに芸術も変わっていきます


 before→after




ロマン主義の過去を捨てて、時代の再構築を!


 と言ったかどうか知りませんが、キュビズム・未来派など影響を受けつつ、まず抽象画が発達してきます。


 


上の図は有名なカジミール・マレーヴィチKasimir Malevich)の[黒の正方形] (1913)です。


絵画の美学、経験、感情からの独立independent of any aesthetic beauty, experience, or mood)を提唱する彼は徹底して具象的要素を排除!究極の抽象を目指しました。


シュプレマティスム(絶対主義)と呼ばれるムーブメントです。


形式否定主義エレメンタリズムの追求というスタンスはアルプらチューリッヒダダイストと大体同じ。


ただひとつ違うのは、このシュプレマティスム、後々プロパガンダ的性格を持ってくるんですねー。


そしてそれがロシア構成主義にも影響を及ぼしていくわけです。



で、こんな幾何学模様がどうしたらプロパガンダになるのかと。


こんな感じで変わってきます。



今回のBig Figureエル・リシツキーEl Lissitzky)。シュプレマティスムと構成主義どちらの要素も持った人。彼のリトグラフがこちら。


         


マレーヴィチと同じ幾何学模様を使っているものの、"Beat the Whites with the Red wedge",(赤き楔で白を打て)というなんとも18禁な題名がついてます。共産主義の色である赤が、地球を連想させる丸にぶっささっております。そんなリシツキー、タトリンに敬意を払ってこんな作品も。


          


分かりづらいですがタトリンがモニュメントに取り組んでいる図です。タトリンと第三インターナショナル記念塔については次回にまわすとして、だんだんフォトモンタージュっぽくなってきたと思いません?リシツキーはポスターや本のデザイン建築など生活に食い込んだ芸術を作り続けます。そしてこれはロシア構成主義全体の特徴でもあります


  Electrification of whole world/klutsis



クルーツィス(Gustav Klutsis)はロシア構成主義を代表する一人であり、フォトモンタージュを「最初に始めたうちの一人」とされています。(何だよソレ)


プロパガンダ、機械的イメージ…となんだかベルリン・ダダの回で見たような構図ですが、比べてみるとアイデオロジーの違いが見えてきますYo。


Tatlin at Home/Raoul Hausmann



クルーツィスの方は、未来の発展にユートピアを見ているのに対し、ダダの半機械化した人体からは、悲観的、批判的でかつシニカルな様子が伺えます。


例えて言うならアレです。前者は新しい恋人ができてルンルンな男、後者は夫のダメっぷりをバカにする主婦です。


それでも両者の間の「共産主義」「物質主義」「生活と芸術の融合」「革命的態度」などの共通点から認め合っていました。


ちなみに抽象芸術の方もクルト・シュヴィッターズとリシツキーが1929年にコラボするなどして、関係は良好と見られます。



授業ではあまりふれませんでしたが、赤と黒のいかにもロシアン・プロパガンダ!というポスターが何気に好きです。(クルーガーは好きじゃない行けど)




次回はタトリン中心に。


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