シュルレアリスム実践メモ

学問としてシュルレアリスムを学ぶ管理人が(体を張って)シュルレアリスト・アート、ゲームを実行するブログです。シュルレアリスム初心者から専門的に学ぶ人まで楽しめるようにしたいとおもいます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Week 9 タトリンと第三インターナショナル記念塔

Week 9 タトリンと第三インターナショナル記念塔        


 スケジュールが遅れている気がしないでもないですがそこはスルーの方向で。前回から名前だけは出ていたウラジミール・タトリン、万を持してついに登場。                                       



第三インターナショナル記念塔(の模型)1920




1917年の革命後、タトリンは教育普及委員会美術部門(Visual Art Department of Commissariat for People”s Enlightenment)の依頼で第三インターナショナルを記念するモニュメント作りを始めます。まぁ、モニュメントのわりには大きすぎるし、建築というには非現実的かつ非実用的な気がしないでもないですがそこはスルーです。


 らせん状の塔の内部はもっとわけわからんプランなっています。



 


1階部分は立方体の部屋で会議なんかを行う場所。


1年に1回のペースで回転するそうです。


 2階部分はピラミッド型で行政などを行う部屋。


1ヶ月に一回のペースで回転するそうです。


 3階部分は円錐型、メディアセンターで、ラジオ塔などを設置。


ここまでくればわかると思うけど、1日に一回のペースで回転します;


 


まぁ、結局実現されなかったんですケド。


 


この塔から何がわかるかというと


 1)空間を意識した構成


2)機能性


3)ユートピア的メッセージ


です。



1)空間を意識した構成


空間がなぜ大事かというと。


慣習的な芸術では、絵=平面、彫刻=表面 を眺める物であり、現実の本質にせまっていない!というのが構成主義に見られる態度であります。ナウム・ガボNaum Gabo)がアントワーヌ・ペブスナー(Antoine Pevsner)と書いたRealistic Manifectoで、初めて構成主義(Constructivism)という言葉が出てくるのですが、そこでそういった芸術の表面性を批判し、空間・奥行きといったものを推奨する論述が見られます。


ガボの彫刻をみるのがわかりやすいかも


Naum Gabo Model for `Constructed Torso' 1917, reassembled 1981Model for "Constructed torso" 1917


 


タトリンの記念塔は、上昇する螺旋、内部構成の見える骨組み、それぞれ回転する異なる形の部屋など、3次元空間の重要性を前面に出しています。


 2)機能性


Composition (構図:今あるものを並べ替えてできるデザイン)ではなくConstruction(構成:目的・機能性を持った組み立て)。ガボをはじめ構成主義に属する芸術家の文章には必ずと言っていいほど「実用性」(Utilityという言葉が出てきますが要するに機能美ってやつですね。3つも違った機能の部屋がある上に、建物自体がプロパガンダですから、ただのモニュメントとしては盛りだくさんな事この上ない。


 3)ユートピア的メッセージ



どのようにプロパガンダか、というと「未来(新政府)への期待感」を予感させる無限に続くような上昇するスパイラルエッフェル塔を意識して、そしてそれを凌ぐかのように構想された高さ400m以上)。現代版・バベルの塔といっても差し支えないでしょう。ただし限りなくポジティブ思考な感じの。


By Peter Brugel/



こんなわけで、タトリンの第三インターナショナル記念塔(の模型)はロシアン・アヴァンギャルドの、そして社会全体を代表するものとして文字通りランドマークになったわけです。



その他の芸術家



Art into Life(芸術を生活の中に)をスローガンに、構成主義芸術家(生産者というべき?)たちは、ポスター、服、家具のデザイン、建築などに手を出していました。


 «Be on guard against the Mensheviks and S.R.s...»,<br />Unknown artist, 1920


作者不詳/"メンシェビキに気をつけろ"1920


 reference→http://eng.plakaty.ru/posters



多分ロシア・ポスター最強サイト。年代別/目的別/作者別に分けることができて楽しめること請け合い。



ロドチェンコデザインのチェス専用テーブル2003(c.1925)


reference →アートジーン


 


その他デザインのスライドhttp://www.usc.edu/dept/LAS/IMRC/course_website/slides15.htm


in the Institute of Modern Russian Culture





どことなくダダに通じるコミカルさがあるかも…


スポンサーサイト

テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://surrealisme66.blog53.fc2.com/tb.php/86-502330d0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。