シュルレアリスム実践メモ

学問としてシュルレアリスムを学ぶ管理人が(体を張って)シュルレアリスト・アート、ゲームを実行するブログです。シュルレアリスム初心者から専門的に学ぶ人まで楽しめるようにしたいとおもいます。

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Week13  シュルレアリスム 歴史・政治・哲学

Week 13 シュルレアリスム―歴史・政治・哲学


 


シュルレアリスムは直接政治と関わりがあった、という点でも芸術運動の中で特異な存在です。


共産党との関係は知っている方も多いかと。


もちろんメンバー全員が、というわけではありませんが、ブルトンを含む数名のシュルレアリストが1927年に入党しています


 


政治と芸術


一介の芸術運動?であるシュルレアリスムが


なぜ政治に関わり始めたのか。


まずダダの系譜として彼らには嫌欧流、というか、西洋資本主義に対するアンチ精神がバックグラウンドとしてありました。


モロッコ戦争など植民地政策をすすめていく、いわゆる先進国に嫌気がさしていたわけです。(特に自国のフランス)




シュルレアリストの時代の世界地図




上の地図を見てましょう。第二世界(共産主義)ロシア・中国がヨーロッパ大陸を占め、その他はメキシコなど第三世界が名前を見せていて、アメリカなんぞ影も形も有りません


 


西洋資本主義への批判は、それが包括する価値観も批判します。特に宗教への批判は顕著です。


Mary_spanking_jesus


The Virgin Chastises the infant Jesus before Three Witnesses: AB,PE and the Painter/Max ernst








B.Peret insulting a priest 


これらは反キリスト教精神の反映のほんの一例。キリスト教は


神に選ばれた個人”=“天才”の概念を持つので、


優美な死骸」など集団ゲームで盛り上がって、個人の才能なんて関係ない!とのたまっているシュルレアリストにとっては煙たい存在だったのでしょう。



以上の西洋思想批判が共産主義入党に即つながるかと言うと、そうも簡単にいかないようです。だって



「国民の生活を改善しようと努力する」運動家



「不合理をモットーに今日も元気にオートマティズム」


シュルレアリスト



ですよ。前者からみたら後者なんて暇を持て余すプチ・ブルジョワであり、批判の対象でした。


ブルトンらの入党は捨て身の和解政策というわけです。


(雑誌「革命に奉仕するシュルレアリスム」からも、そういう姿勢が伺えます。)



しかし、やはり物質主義のマルキシズムである共産ヘーゲル的理想主義のブルトンの差は埋めることが難しかったようです。



結局ブルトンは脱党しスターリニズムが蔓延する中、芸術に理解のあるトロツキーについていきます、アラゴンやエリュアールは留まることになり分裂が起きていきます。






シュルレアリスム第二宣言と帝王・ブルトン



1929年のシュルレアリスム宣言はトロツキーに触発されて書いたもので内容も政治的になっています。  


 


結局、共産主義とシュルレアリスムは相容れないイデオロギーだったわけですがそれでも接点を見つけようと努力したブルトン。


“Transform the world, said Marx; change life, said Rimbaud: for us these two watchwords are one”


                   (Andre Breton)


さらに宣言内はかつての仲間を次々と「裏切り者」として批判しています。結局本物のシュルレアリストの資格を持つのはほんの一握りだと。


うわー 共産主義の「粛清」みたい。



1929年までに「除名」されたのはフィリップ・スーポーアントナン・アルトー、アンドレ・マッソン、ロベール・デスノス、ミシェル・レリス、ピエール・ナヴィルetc...


首を切られたメンバーのほとんどはバタイユのドキュマンに流れて行くのでした・・・そのバタイユも宣言の中で、ボロクソに言われているのはご存知の通り。(バタイユ側からみたブルトンはこちら


もちろんこの後、レーニン批判ともとれるこんな絵を描いたダリはもちろん、エリュアール、エルンストなど主力が除名されていき、ブルトンを中心とした運動は弱まっていきますが、それでも各々が各自で活動を続けていたので、シュルレアリスムは完全に「死ぬ」ということは無かったと言えるでしょう。



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コメント

お久しぶりです。
う~ん酷い!ダリはドル亡者とか有名でしたが
まさかエルンストやエリュアールまでも!ひどいやブルトンさん!
四銃士もクソもないですね笑
アンドレ・ブルトンの著作結構好きなだけに切ないものがあります。
ツァラと喧嘩しちゃったり。ああ。

  • 2007/02/08(木) 15:50:00 |
  • URL |
  • 531 #-
  • [ 編集 ]

>531さん
間が開いてしまってすみません><
ブルトン結構過激ですよね。カリスマではあると思うのですが…。彼が会社の上司でなくてよかった。

  • 2007/02/14(水) 19:40:53 |
  • URL |
  • Lushy #-
  • [ 編集 ]

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