シュルレアリスム実践メモ

学問としてシュルレアリスムを学ぶ管理人が(体を張って)シュルレアリスト・アート、ゲームを実行するブログです。シュルレアリスム初心者から専門的に学ぶ人まで楽しめるようにしたいとおもいます。

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Week 14 シュルレアリスムと精神分析2

Week14 シュルレアリスムと精神分析2


Mixiのドーン・アデスコミュにも書きましたが、大学のギャラリでシュヴァンクマイエル夫妻の展示があります。葉山のシュヴァンクマイエル展を見たきりなのでかなりエキサイト中。ルナシーも未だにみてないので早いとこみなくては。


前回に引き続きPsychoanalysis。前からちらほら出ていた「アンカニー」


不気味なもの(Uncanny)


日本語では「不気味なもの」英語では「Uncanny」と訳されていますが元のドイツ語は「Unheimlich」。馴染みのある家の中の、と言う意味のheimlich(homley)の対義語です。


全く関係ないですがheimlich(ハイムリッヒ)法という異物を飲んだときの応急法があります。トリビア。


   heimlich   hakasekata


         ※虐待ではありません   


Heimlichには「隠されたもの」という意味もあり、フロイトはそこに「不気味なもの」の根源を見出します。


要約すると「不気味なもの」は何ら新しいものでなく、見慣れたもの、馴染みのあるもの=Heimlichである。それが抑圧(隠される)の過程をへて戻って来たときに気味が悪いものになる、という理論。


たとえば子どもの妄想や原始的霊魂信仰が根源になりえます。


そのためオカルトチックになるのはやむを得ないのですが、「不気味なもの」とは決して「ものすごい恐怖」ではなく日常の中の違和感や、不安感をあおるものとして説明されています。


  「不気味なもの」中では以下のような具体例があげられています。


―精巧につくられた人形、オートマタ


(生物と無機物の境界線を曖昧にするため)


 

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Week 14 シュルレアリスムと精神分析

Week 14 シュルレアリスムと精神分析


★Happy Valentine's day!★



Salvador Dalí Autumnal Cannibalism 1936



無意識を取り扱う精神分析はシュルレアリスムと切っても切り離せない関係。今日はその中でも最重要項目、フェティシズムのコンセプトがどのように作品に現れている見ていきましょう


 


フェティシズム


髪フェチ、下着フェチ、ハイヒールフェチなど本来性的対象にならないものに対して魅力を感じる現象です。


フロイト理論の常ですが、その原因は幼児期にあると説明されています。


まだ男女の違いがわかっていない男児が(この頃を前エディプス期といいます)はじめて女性の体(大抵母親)を見たときに抱く感情はエロスでも何でもなく



「な、無い!」



というショック。アレが無いということを「去勢された」と認識し、「自分にも起こるかも」…という恐怖を感じます。


そこでその認識を否定するため無理やり「女性にもペニスがある」と思い込もうとします。



Veiled Erotic / Man Ray


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Week13  シュルレアリスム 歴史・政治・哲学

Week 13 シュルレアリスム―歴史・政治・哲学


 


シュルレアリスムは直接政治と関わりがあった、という点でも芸術運動の中で特異な存在です。


共産党との関係は知っている方も多いかと。


もちろんメンバー全員が、というわけではありませんが、ブルトンを含む数名のシュルレアリストが1927年に入党しています


 


政治と芸術


一介の芸術運動?であるシュルレアリスムが


なぜ政治に関わり始めたのか。


まずダダの系譜として彼らには嫌欧流、というか、西洋資本主義に対するアンチ精神がバックグラウンドとしてありました。


モロッコ戦争など植民地政策をすすめていく、いわゆる先進国に嫌気がさしていたわけです。(特に自国のフランス)




シュルレアリストの時代の世界地図




上の地図を見てましょう。第二世界(共産主義)ロシア・中国がヨーロッパ大陸を占め、その他はメキシコなど第三世界が名前を見せていて、アメリカなんぞ影も形も有りません


 


西洋資本主義への批判は、それが包括する価値観も批判します。特に宗教への批判は顕著です。


Mary_spanking_jesus


The Virgin Chastises the infant Jesus before Three Witnesses: AB,PE and the Painter/Max ernst






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Week12 シュルレアリスムと絵画2

シュルレアリスムと絵画2 -様々な技法ー


昨日初めて任天堂DSというものに触りました


脳トレの結果、自分の脳は57だということがわかりました。  老化じゃないんです、はじめからバカなんです。


 Barnaby BearSo What!?


※画像は今回のエントリの内容とは一切関係ありません。




前回「デ・キリコみたいな具象画油絵は制作時に意識が介入していて、無意識の作用を軸とするシュルレアリスムとしてはどーなのよ?」と、言う議論に触れました。


ってわけで今日は、意識の介在を許さない、つまりは偶然の要素を取り入れた絵画の方法のバリエーションが広がっていく様子を見ていきましょう。


 


①砂絵


まずはアンドレ・マッソン の砂絵(Sand Painting)。


192627年ごろから作られ始めました。


撒かれた砂が予期せぬ形を浮かび上がらせてくれます。ただし結構デリケート。(汗)


André Masson. Figure. 1926-27 Andre Masson /


②フロッタージュ


「こする」という意味のフロッタージュは凸凹のある物の上に紙を置いて鉛筆でこするアレです。マックス・エルンストは子どもの頃、ベッドのパネルの木目に固執していて、後にその訳を探るために床の板目に紙をのせてこすった所、不思議な模様が浮かび上がりました。それ以来彼は自動書記と対等のものとして、好んでこのテクニックを使っています。


切り貼りしてコラージュ風にも。



Max Ernst




③グラッタージュ


「ひっかく」という意味のグラッタージュはフロッタージュの油絵版。


エルンストは森を描くときによく使ってます。


 


Max Ernst Forest and Dove 1927Max Ernst


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Week 12 シュルレアリスムと絵画

Week12 シュルレアリスムと絵画


  シュルレアリスムの授業2回目です。今日でドーンの授業は実質上最後・・・。


来週からはチャールズ・ミラーという若造、じゃなかった若い先生にバトンタッチ。


お疲れドーン!



Sebastian Rabbithttp://www.alincocostumes.com/catalog/


画像は今回のエントリの内容とは一切関係ありません


 前のエントリ①オートマティズム②夢のイメージについてでしたが、今回はそれが言語の領域から絵画に拡大していく時期を見ていきましょう。




(Andre Masson/Automatic Drawing)



①に関してよくあがるのが自動筆記と同等のことが絵画でできるか?


という議論。


 これについてはご存知の通りオートマティックドローイングという方法があります。(上はアンドレ・マッソンの例です)何も考えずに筆をすべらせていく、という方法ですね。


この場合デスノス達がやったような完全なトランス状態にはいってはいません。上の絵ではめちゃくちゃなように見えて女性の胸や、指や羽っぽいものが描かれているのがわかりますマッソンは似たようなモチーフ(ざくろや女性のトルソー)を何回も使うことがあり、最初から最後まで無意識下で描いている、と言うわけでは無さそうです。むしろ、最初は自由連想→そこから沸いたイメージを修正、というメソッドでやってるシュルレアリストがほとんどかと




雑誌「シュルレアリスム革命(La revolution Surrealiste)」第4号にブルトンは「シュルレアリスムと絵画」と題したエッセイを載せ絵画がいかにシュルレアリスム的になるか議論しています。例としてあげられたのはピカソから始まりマッソン、エルンスト、タンギー、ミロなど。


シュルレアリスム的絵画でなくシュルレアリスム「と」絵画ってのがポイントですね。


     


ちなみに、この雑誌、最初は絵画を含んでいませんでした


そのかわり写真は使われていました。


マン・レイのレイヨグラフや、シャドのシャドウグラフなどは、前もって結果がわからない偶然の芸術としてオートマティズムと同等に考えられていたようです


ManRay Rayograph



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